体験型イベントって何?

体験を売る時代

今の時代、「物」が売れないから「体験」を売らないといけないってのはもうわかったけど、実際は何なのかよくわからない。

巨大なショッピングモール なら色々なエンターテイメントを提供している店舗があったり、服を買うにしても、ご飯を食べるにしても、選びきれないくらいの選択肢があって、それ自体がテーマパークに来たかのごとくの「ショッピング体験」なので、人がガンガン集まってくる。

そうそう、今日は愛知県に先日オープンしたばかりの「ららぽーと愛知東郷」さんに行ってたのですが、館内を歩いているだけでお客さんのワクワク感がひしひしと伝わってきました。みんなマスクはしてるけど、もうコロナ気にしてる人いないんじゃないってくらい人でいっぱい!

地域のショッピングセンターが体験を売るには

さて、地域の地元の人間しか知らないようなショッピングセンターにおいてはどうでしょう。

食料や日用品を買ったり、子供を遊びに連れてきたりと、生活には欠かせない存在ではありますが、お客さんは「ワクワク」を求めてって感じではないですよね。

5年、10年、20年と年月の経った地域のショッピングセンターをマネジメントしている方にとってはハード面のリニューアルが難しい中、いかにして物販を超えるエンターテイメント性を作り出していくかという課題を抱えているのではないでしょうか。

そこで「イベント」を開催することで、ハードに頼らない、ソフト面でのエンタメ作りということになってくるわけですが、ポイントになってくるのが「体験型イベント」の正しいやり方です。

普通のイベントと体験型イベントの違いとは

通常営業以外の催事のことを、なんでもかんでもイベントって言っていますが、ガンガン人が集まる巨大モールの場合だと、基本的にその集客力を活用させてもらって、お金を払って場所を使わせてもらう、営業・販売系の広告イベントがよく見られます。

地域のショッピングセンターでも同じ様に広告イベントはよく見られますが、この類のイベントは別にお客さんが「ワクワク」するわけではないので置いておきましょう。

また、地域共生的な観点から行政や地元の団体、教室あるいは地元出身のアーティストなどに場所を提供して広報活動や発表会の場としてイベントを行う場合もありますが、これもお客さんが「ワクワク」するわけではありません。関係者や一部の人が盛り上がっていることがあるので、地域の役に立っているのであればこれはこれで良いと思いますし、数をこなせばそれぞれのイベントによる集客効果も見込めます。

が「体験を売る」という話とは別ですね。

お客様がワクワクする体験型イベントの正しいやり方

では僕が考える「体験型イベント」は何なのか、ということですが、これがまぁ、なんら特別なことではなく、「ガラポン抽選会」なわけです。

と、いうか別に「ガラポン」じゃなくても、「抽選会」じゃなくてもいいんです。何がポイントかというと、「ガラポン抽選会」ってだいたい館内で買い物をした金額に応じて抽選ができますよね。その、「買い物に応じて何かができる」という部分が体験型イベントの重要なポイントになります。

別に「ワクワク」を求めに来ているわけではない、普段の生活で買わなければならないものを買いに来て、とりあえず手軽に遊べる近所のショッピングセンターだからこそ、そこで使ったお金に応じて、何かができるというところにお客さんはメリットを感じるわけです。

そもそも生活必需品って別に欲しい物じゃないので、できるだけ安く買いたいし、安いものを探す傾向があるので、そういう買い物って「楽しい」というより、どちらかというと生活費が減っていくという「苦しい」買い物体験ですらあるかもしれません。

そんな普段の買い物がガラポン抽選会の様なイベントがあると、ちょっと楽しくなるわけです。

もちろん抽選するときの当たるかもみたいな楽しい「体験」という意味もありますが、それだけではなく、参加するまでに至る「買い物体験」自体がちょっと楽しくなります。

なんというか、お金を使うことに正当性をつけることができるのです。「自分のこの買い物は抽選会に参加できるので効率的で正しいお金の使い方だ」みたいな、「あとこれだけ買ってちょうど5回抽選できる」みたいなのもあるでしょう。

これはイベント内容が「ガラポン抽選会」じゃなくても同じです。子供が楽しめるゲーム形式のイベントや別に豪華な景品がなくても日用品が当たる抽選会など、工夫をすればあまり費用をかけなくてもお客様には楽しい「ショッピング体験」を提供することができます。

家に帰るまでが体験型イベント?

イベント現場に入っているとよくわかります。

イベント会場を見て子どもが食いついたら、「買い物の後でやろうね」ってなると、子供にとってはそこから「ワクワク」のショッピング体験が始まります。

参加することを楽しみにしながら買い物をしてきて、いざ参加して、実際に楽しい体験をする。

そしてさらには家に帰って晩ご飯の時に一緒に買い物に行けなかったパパに今日は「こんなことしたよ」みたいな話題になったりすることもあるわけです。

そうして、あそこにまた行きたい、ってことに繋がることが「体験型イベント」の目指すところです。

これはほんとに些細なことでもいいのですが、大事なのはちゃんとその期待に毎週とか毎月とか応え続けること。できれば毎週土日はやりたいですね。そうなると大きなことは難しいので、手軽にできるミニイベントの方が良いんですよね。

これがショッピングセンターにおける正しい「体験型イベント」のやり方ではないでしょうか。

最後に事例として本日開催した体験型イベントを2つ。

それではまた。