この幼稚園はなぜおむつが取れていない子どもにパンツを履かせるのか?

通学中の電車でお漏らし。その時周りの大人たちは・・・

僕は小学校が和歌山だったんで、大阪から電車に乗って通ってたんですよね。

難波から出発するんですけど、50分くらい乗ってるんです。

「2年生の時なんですど、おしっこが我慢できなくて、

電車の中でお漏らしをしたことがあるんです。」

「そうすると電車の中はちょっと騒然となって、

僕はもうどうしようもなくパニック状態なわけなんですけど、

やっぱり色んな人がいまして、

回りの人たちは避けて離れていくんですよね。」

「2年生の子どもが1人電車の中で

不安と恐怖で困り果ててるんですけど誰も助けてくれない・・・」

「でもある方が僕に寄ってきてくれて、声をかけてくれたんです。

もう一瞬で、僕はその方のことが大好きになっていました。」

迷惑をかけるのが心配??

これは、先日うちの3番目の娘が来年から通う幼稚園の説明会で、先生が話していた自分のエピソードです。

なぜ先生がこんな話をしたかというと、説明会の最後の質疑応答の時に、ある保護者から、

「うちの子どもはまだオムツが取れてなくて、なんとか入園までに間に合うよう頑張ってはいるんですが、ちょっと難しいかな、と思っているんです。こちらの幼稚園ではオムツについてどういった方針でしょうか?」

といった内容の質問に対する回答でした。

幼稚園によっては入園までにオムツ取るように言われるところもあるようです。

きっとこのお母さんもそれが頭にあって、子どもがお漏らしをして園に迷惑をかけるんじゃないかと心配で質問をしたんだと思います。

そして、この話は下記のように続きます。

信頼関係ができる瞬間

「僕たち(幼稚園の先生)が子どもたちの心を掴むことができるのは圧倒的に排泄のタイミングなんです。

そういった自分ではどうしようもないような瞬間に、しっかりと子どもに寄り添うことで僕たちは子どもと信頼関係を築くことができるんです。」

「あとは登園時に親と引き離されて泣き叫ぶ瞬間とかですね。」

「だからオムツが取れていなくても、パンツを履かせてきてください。お漏らしをしたら僕たちは『ヨッシャ!』って思います。」

「僕たちはお漏らしをネガティブなことだとは考えていません。お漏らしはいくらでも対応します。なのでオムツで僕たちが子どもたちと信頼関係を築くチャンスを奪わないでください。」

この人に任せたい

こんな回答をされたら、質問をしたお母さんの不安もきっとスパッとなくなって、安心して子どもを預けられるんじゃないでしょうか。

僕も横で聞いていて、3人目なのでここの幼稚園の方針はよくわかっていますが、上の子が卒園してから2年ぶりだったこともあり、あらためてグッと来るものがありました。

先日ニュースでは、登園バスに子どもが置き忘れられて亡くなってしまったという事件が話題になったばかりです。

自分の大切な子どもを預けるのなら、こういった考えをもって子どもたちと向き合っている先生たちがいる幼稚園を選びたいと思いますよね。

僕も自分の仕事に置き換えて考えるなら、クライアントである商業施設にとって大切なお客様である「地域の生活者」に対してしっかりと向き合っていくことが、

やはりクライアントとの信頼関係を築くことにつながるんだろうと、改めて思うところです。

はたまた社内に目を向けてみると、部下がミスをしてクレームが発生した場合などは、

「ここできっちりと対応をしたらお客様との関係性が深まる。ミスをしてくれてありがとう!」

くらいなことは当たり前のように言いたいですね。

間違っても「社長に恥をかかせやがって」なんてことは言わずに。

何気ない日常の小さな幸せな話。

それではまた。