妻と4歳になったばかりの娘が使った巧妙なセールステクニック

こんにちは。

僕が佐藤さんのお家に来てもうすぐ1年になります。

みんな最初はとってもかわいがってくれたのに最近はあんまりかまってくれないんです。

だからお部屋の壁をカリカリして穴を空けてやりました。今度天気の良い時に家出するんです。

なーんてこと思っているかどうかわかりませんが、このウサギ、ちょうど1年前にやってきたリコちゃんです。

正直なところ、僕は動物に興味がありません。なぜこの写真を載せているかというと・・・

僕がこのウサギを飼う(買う)ことになった、我が妻と4歳になったばかりの娘が使った巧妙なセールステクニックをあなたにシェアしようと思ったからです。

1年前のGWの話し・・・

僕はショッピングセンターの販促の仕事をしているので、土日は当然仕事で、連休の時期とかは特に忙しく、ほとんど家族サービス的なことをやっていません。

子どもは4歳と1歳でまだ小さいので、遊びに連れて行ってやることができずに申し訳ないなーと思っていたところ、今年のゴールデンウィークに、とあるショッピングセンターで「ふれあい動物園」の仕事が入りました。

これは子どもたちが喜びそう!と、ここぞとばかりに家族を連れて行ったわけです。(もちろん仕事場に子どもが来ると邪魔でしゃーないのですが・・・)

そこはファミリー向けなショッピングセンターなので、妻と娘たちは目当てのふれあい動物園に行く前に、ゲームセンターやらショッピングやらでさんざん遊び回ったようで、夕方の終わり掛けに動物園にやってきました。

そこには大きなフクロウや馬、大蛇など十数種類の動物がいるのですが、子どもたちに人気なのはひよこやウサギの小動物のコーナーです。

子どもたちはみんな、あっちへ行ったりこっちへ来たりと色んな動物たちをさわりチャンコにはしゃいでいます。

そんな中、我が娘の様子を見ようと探してみると、やっぱり小動物コーナにいました。そして、座り込んで膝の上のウサギを優しくなでているのです。

いやー、楽しんでいるようでよかった、と思いながら眺めていると妻がやって来て、

「この子(ウサギ)連れて帰るんだって」

えっ、連れて帰る??いや、無理でしょ、動物園ですよ、ここは。動物たちとふれあって、あー楽しかったって思いながら帰るところですよね??

と、軽く聞き流しながらも、他の動物に一切興味を示すことなく、ただ膝の上のウサギをなでている娘を見ると、どうやって「それは出来ないよ」ということを伝えようかと・・・

そしてせっかく楽しませるために連れて来たのにこれでは泣きながら帰ることになるかも、と焦り始めもしました。

すると妻が、「しょーがないから、ホームセンターのペットコーナー見に行ってこようかな」と言うのです。

んっ?ホームセンター?確かにこのショッピングセンターには隣接して、大きなホームセンターがあるけど・・・それはウサギを買うってこと??

いやいや、それはないでしょ。子どもの世話やら家のことやらで毎日時間に追われまくっているじゃないですか。さらに動物を飼うだなんて、意味が分からんっと、動物に興味のない僕は思うのです。

そんな僕に娘が言いました。

「パパも抱っこしてみ」

何っ、これは!?うさぎの可愛さを感じてみろということか・・・

このテクニック、そう車屋さんとかで使うあれと一緒です。

「まあ、とりあえず試乗してみてください」

・・・・
人は感情で物を買うと言われています。一度体感してしまうと、それがもし良い感覚だった場合、それは潜在意識に刷り込まれ、その思いはだんだんと大きくなります。

あなたにも経験はありませんか?全く興味のなかったものや、好きでもなかった人のことを、何かのきっかけで気になりだし、ついには購入したり、お付き合いするようになったりということが・・・

さて、娘はもちろんそんなことは知ったうえで言った言葉ではないでしょうが、自分がウサギを連れて帰るために、僕に買わせる方法としてはなかなかのセールステクニックだと言わざるを得ません。

これが普通に駄々をこねて「買って買って」とこられたら、僕は逆に買いたくなくなります。

これで僕の気持ちが少し動いたのですが、まだ動物を飼うという、家族の生活スタイルまでも変えてしまうような一大事をそう簡単には決断できません。

そもそも、今抱っこしているウサギを買える訳ではないんですからね。ホームセンターに気に入ったウサギがいるかどうかわからないでしょ。

しかし、僕は現実的に買うことを考え始めていました。

「だいたいウサギっていくらするの?」もともと動物動物が好きな妻に聞くと、5千円くらいとのこと。

お金のこともすごく気にしていたのですが、まぁどこにも遊びに連れて行ってあげてないから、5千円なら別にいいかなと思い、
「じゃあ、ホームセンター見て来たら」と僕。

そして「しょーがないから」とか言っていた妻はなんだか嬉しそうに子どもとホームセンターに行ったのでした。

この巧妙なセールステクニックの話しはまだ終わりません。

そこのホームセンターには数万円するような種類のウサギはいたのですが、5千円くらいのウサギがおらず、買えなかったのです。

それでも、もうみんな気持ちが飼いたいとなっているので、帰り道にもう1件別のホームセンターに寄ることになりました。

結局次のホームセンターにも5千円のウサギはおらず、餌やら小屋やらひっくるめて3万円以上のお金を払って買うことになりました。

お金を支払ったのは僕です。全く動物に興味がなく、5千円ならまぁしょうがないかと考えていた僕が3万円以上のお金を払いました。

一体何がおきたのか・・・

これは妻が使った(意識していたかどうかは知りませんが)一貫性の法則というセールステクニックです。

もし僕が、ウサギの値段を聞いたとき、最初から3万円という答えを聞いていたとします。

その時点で恐らく、「はい、高すぎて無理ー」という判断になり、子どもにはまた今度ねとかなんとか言って諦めさせていたと思います。

しかし、妻は5千円という、「まぁいいか」レベルの値段を言ったのです。そこで僕の中に「ウサギを買おう」ということが決まったのです。

一度決めたことを変更することはなかなか出来ないものです。たとえそれが6倍の金額になったとしても。

これが一貫性の法則の恐るべき力です。まずは小さなOKを得てから、大きなお願いをしていく。

あなたにもありませんか?さんざん迷ったあげくに購入したものがあったとして、その後に続くセットの商品やオプション品は簡単に購入してしまったことを。(車を購入した後に奨められるナビとかコーティングとか)

日々お店で販売にたずさわっているあなたは、無意識にこの法則を使っているかもしれません。でもお客さん側の心理がわかれば意識的にもっと活用できるかもしれませんね。

さて、その後のリコちゃんはというと・・・

すっかり家族の一員になっていました(^-^;)