売り込まない営業を教えてくれた人

夢(次女)が生まれ、これまで住んでいた2LDKの部屋では手狭になってきたころ、引っ越しのために不動産屋を回り、新しい住まいを探していました。

不動産屋に行く機会というのは、そう多くないと思いますが、新しい部屋を見て回るというのはワクワクして楽しいものですねよ。

とはいえ、不動産屋さんってのは「息を吸うように嘘をつく」人種である、と認識していたので、しっかりと警戒心も持ちながらの部屋探しでした。

ちなみに、当時は新築で購入した分譲マンションに住んでいたのですが、その時の購入体験や学生時代、社会人になってからの一人暮らしの部屋探しも含め、4回ほどは自分で不動産屋を回って感じていたことです。

今から思えば不動産業界の景気が悪い時代だったので、嘘をついてでも売り付けないと自分達もやばいという状況が特にそうさせたのかもしれません。

さて、当時住んでいた街、ビジネスよりの江坂から、ファミリーよりの隣り町、緑地公園での家探しをしていました。

1件目、2件目と不動産屋さんを回ってみるのですが、最初はよくCMなどでも目にする大手の不動産屋だったと思います。

あまり愛想の良くない中年の男性営業マンに対応されて、いくつか物件を案内されて、「この物件はいま検討している人がいる」とか、「いつまでに引っ越す予定なのか」など、結構早く決めてくれみたいな圧が感じられました。

次に訪れたのも同じく名前をよく聞く不動産屋でした。

そこでは若い女性の営業担当者がたくさんの物件資料を出しきて、いろいろ進めてくれました。愛想は良く、やる気も感じられましたがとりあえず情報を得て次の不動産屋に向かいます。

次の3件目は町の不動産屋といった感じで、店構えは古く、CMなどで目にすることもないお店でした。特に期待することもなく駅前にあったので入ったのですが、そこで対応してくれた担当者はこれまでとは随分ちがう雰囲気でした。

そこの担当者は優しいおっちゃん、といった感じでのんびりとした雰囲気の方です。

僕は妻と長女と一緒に家探しをしていたのですが、そのお店に入ると、ゆったりと椅子を案内され、ゴソゴソする長女に優しく話しかけ、子育てのこととか、家族のこととか、物件とは関係のない話がスローなペースで展開されました。

僕としては早く物件資料見せてくれよ、と思いながらも、僕たちがいまどういう状況なのかといったことをいろいろ聞いてきて、これから住もうとしている緑地の街のこととかも話してきたと思います。

そうこうしていると、そのおっちゃんは立ち上がり、1枚の物件資料を持ってきました。

その物件はこれまでみてきた物件と比較して、とても良い気がしました。それはおそらく、こちらの情報をいろいろ聞いた上で、一番合いそうなものを選んで出してきたからだと思います。

その上で、そのおっちゃんはこう言うのです。

「今は決めない方がいい」

あれ?
こっちは良い物件だと思いだしているのに、契約を進めてこないのか??

「せわしい年末のこの時期は動かない方が良いよ」

と。

年末に動かない方がよいという意味はよくわかりませんでしたが、とにかくその日はそれで終わりました。

その後、特に追いかけて営業の電話がかかってくることもなく、こちらとしても物件探しを続けていましたが、やはりあの物件とおっちゃんが気になるのです。

結局年が明けて、再度あの古びた不動産屋を訪問し、1つだけ案内されたその物件に決めました。

売り込まれたわけではなく、自分たちで決めたので、気持ちよく契約をすることができました。

でもこれは、おっちゃんの狙い通りだったのでしょう。自分の意思で決めた感じではありましたが、契約の圧をかけないことが契約につながるということをベテラン営業マンのおっちゃんにはわかっていたのだと思います。

さらに、それまで住んでいた分譲マンションを賃貸に出すための管理会社もその不動産屋にお願いすることにしたのです。賃貸の仲介料よりも高額の物件管理を他社と比較することなく、そのおっちゃんにお願いをしたかったのです。

これが売り手も買い手もともにハッピーになる営業手法であることを感じた最初の気づきだったかもしれません。

おかげさまでその後の生活は快適で、4年ほど住むことになり、管理を委託した分譲マンションもすぐに借り手を見つけてくれて、大手製薬会社の社宅として使ってもらったので安定した家賃収入を得ることができました。

時を経て、会社の営業拡大が必要になってきた今の局面において、その時の受けた営業経験は、まさに活用すべきタイミングだと感じています。

自分達と未来のクライントがともにハッピーになるために必要な営業手法として、「売り込まない営業」を絶賛研究中です!

ということで、今年もすでに半分が過ぎましたが、今期は営業エリアの拡大を目指して頑張ります。

P.S. 先日次女が仕事を手伝ってくれました。この話も12年前のこと。ほんとに時間が経つのは早くて恐ろしい・・・

投稿者プロフィール

佐藤 健太
佐藤 健太
このサイトの管理者であり、会社の代表。
妻と娘が3人。座右の銘は「体が動けば心も動く♪」。
より良い会社、より良い家庭を目指すも課題は多く、模索の日々を過ごしている。